スペイン・ヒホンの見どころ – 旧市街、海岸トレイル、市場とグルメ

ヒホン (Gijón) は、スペイン北部アストゥリアス地方最大の港町で、長い市街ビーチと、マリーナと海にはさまれた丘の上の古い漁師町があります。波が越えていく防波堤、天井まで壁画で覆われた聖堂、古い屋内市場、百年の歴史をもつ菓子店、そしてビーチからそのまま始まる断崖沿いの海岸トレイルが、この町の見どころです。

朝の光に照らされたヒホンのプラサ・マヨールのアーケード、鉄のランタンとオレンジ色のファサード
プラサ・マヨールのアーケード

ヒホンとはどんな町か

ヒホン (Gijón、アストゥリアス語では Xixón) はビスケー湾に面しています。労働者の町であり港町で、「必見」とされる名所が山ほどあるわけではなく、そこが逆に気楽なところです。リストを追いかけて走り回る必要がありません。私は10月初めに数日間ヒホンで過ごしました。中心部はコンパクトで、ビーチは旧市街のすぐそば、海沿いの遊歩道から歩いて30分ほどで、建物がひとつもない断崖とビーチが始まります。

旧市街はシマビジャ (Cimavilla、Cimadevilla とも書きます) と呼ばれます。小さな半島を占めていて、片側はマリーナと港、反対側はサン・ロレンソ海岸 (Playa de San Lorenzo)、そして頂上にはチリーダのコンクリート彫刻が立つサンタ・カタリナの丘があります。かつては漁師と煙草工場の女工たちの地区で、住民は今でも「playos」と呼ばれています。昼間は静かで、夕方になるとシドレリア (sidrería) が開きます。アストゥリアスでは、天然のシドラ (sidra、りんご酒) を飲みながら魚介をつまむ店をこう呼びます。

シマビジャ – 朝の旧市街

8時ごろに外に出ると、プラサ・マヨール (Plaza Mayor) には清掃車のほかに誰もいませんでした。ここは町の中央広場で、一方に19世紀の市庁舎、ほかの三方にはアーケード付きの建物が並び、その下にカフェがあります。カーニバルや町の主要な祭りはここで行われます。

早朝の光の中のヒホンのプラサ・マヨール、市庁舎とアーケード付きの建物
プラサ・マヨールと市庁舎

すぐ隣がマルケス広場 (Plaza del Marqués) で、アストゥリアス初代の王ペラヨの記念碑が立っています。8世紀にレコンキスタが始まったのは、この王からです。広場の奥を閉じるのはレビジャヒヘド宮殿 (Palacio de Revillagigedo)。18世紀初めのバロック建築で、胸壁付きの塔が二つあります。二つの塔は同じに見えますが、片方はもう片方より300年古く、中世の塔に宮殿を建て足したものです。現在は内部が展示センターになっています。宮殿の左にはサン・フアン・バウティスタ参事会教会が隣接していて、コンサートが開かれます。

ヒホンのマルケス広場に立つレビジャヒヘド宮殿、胸壁付きの二つの塔と参事会教会
レビジャヒヘド宮殿

ペラヨ記念碑と宮殿ファサードの紋章

ここからは、ただ通りを上っていけば大丈夫です。シマビジャは小さな地区で、ガラス張りの木の出窓ギャラリーを持つ石造りの家、妻側に鐘を掲げた古い礼拝堂、海に突き当たる急な路地が続きます。ある家のレンガ塀の上には、緑色の竜の頭が突き出しています。

ヒホンのシマビジャにある古い石造りの礼拝堂、鐘楼壁と十字架
古い礼拝堂

旧市街の家並み

塀の上の竜と中心部のファサード

半島の頂上がサンタ・カタリナの丘 (Cerro de Santa Catalina) です。100年以上ものあいだ軍用地として市民に閉ざされていましたが、1990年に公園として開放され、同時にバスクの芸術家エドゥアルド・チリーダの彫刻「地平線への賛歌 (Elogio del Horizonte)」が設置されました。重さ約500トンのコンクリートのアーチで、当初は批判されたものの、今ではあらゆる絵はがきに印刷されています。アーチの内側に入ると海のうなりが響きます。中に入って耳を澄ませてみてください。丘からはクレーンの並ぶエル・ムセル港 (El Musel) が見え、夕暮れには全体が霞に包まれます。

丘から見たエル・ムセル港とシマビジャ外れの広場

ビーチ側では、地区はカンポ・バルデス広場 (Campo Valdés) で終わります。ここにはサン・ペドロ教会、皇帝アウグストゥスの記念碑、そしてローマ浴場博物館があります。紀元1-2世紀の浴場が20世紀初めにここで発見され、今はガラス越しに見られます。入場は無料です。ヒホンはローマ時代の集落 Gigia として始まり、目に見える形で残っているのはこれだけです。

カンポ・バルデス: アウグストゥス像とサン・ペドロ教会

実用情報

  • ローマ浴場博物館 (Museo de las Termas Romanas): Campo Valdés、入場無料。火-金 9:30-14:00 と 17:00-19:30、土日 10:00-14:00 と 17:00-19:30、月曜休館
  • レビジャヒヘド宮殿 (Palacio de Revillagigedo): Plaza del Marqués、展示センター。展覧会は通常無料
  • 地平線への賛歌 (Elogio del Horizonte): サンタ・カタリナの丘の頂上、24時間自由に入れます
  • シマビジャにかける時間: 博物館を除いて1.5-2時間

マリーナと、波が越えていく防波堤

シマビジャのふもと、マルケス広場からマリーナ沿いにヨットの並ぶ広い遊歩道が延び、その先には港を守る防波堤が海へ突き出しています。私は夕方、日没前にここへ来ました。遊歩道に散歩する人がたくさんいる時間帯です。

夕方のマリーナ

朝にもう一度ここを歩きました。水面は穏やかで、ヨットが映り込み、その向こうに旧市街の色とりどりの家並みが連なっていました。

朝のヒホンのマリーナ、水面に映る中心街の建物
マリーナと中心街

ヨットとシマビジャの家並み

防波堤には赤と白の縞に塗られたコンクリートの欄干があります。沖から波が来ると欄干にぶつかって砕け、しぶきが数メートルの高さまで噴き上がります。その日の夕方は波が高く、子どもたちは欄干沿いを走り回って、波をかぶるたびに歓声を上げ、大人たちは少し離れたところに立って次の波を待っていました。ここでは簡単にずぶ濡れになるので、スマートフォンとカメラは守ったほうがいいです。防波堤の先端からは町が見渡せます。マリーナ、丘の上のシマビジャ、そして港の上の夕日です。

防波堤の波

サン・ロレンソ海岸とサーファー

町のメインビーチはサン・ペドロ教会からピレス川 (Río Piles) の河口まで弧を描いて続き、砂浜の長さは約1.5キロです。ビーチに沿って遊歩道が走り、地元では単に「壁」を意味する El Muro と呼ばれています。遊歩道から砂浜へ下りる階段には0番から16番まで番号が付いていて、市民は「4番階段で」と待ち合わせをします。これが Escalerona、街灯の並ぶ広い正面階段です。

朝の逆光、サン・ロレンソ海岸近くで海へと開けるヒホン中心部の通り
ビーチへ抜ける通りのひとつ
朝のヒホン、サン・ロレンソ海岸の遊歩道を歩く人々と波
遊歩道 El Muro

サーファーは一年中ここで波に乗っていて、10月には毎朝10人ほどがいました。干潮時のビーチは広大ですが、満潮時には砂浜がほとんど残りません。日本の潮干狩りの浜と同じで潮によって風景ががらりと変わるので、散歩の前に潮見表を確認しておくと役に立ちます。

朝のヒホン、サン・ロレンソ海岸で波に向かって歩く二人のサーファー
サン・ロレンソ海岸のサーファー
ヒホンのサン・ロレンソ海岸、引き潮が砂に残した模様
引き潮のあとの砂の模様

朝の濡れた砂浜では犬の散歩をする人が大勢いて、犬種もさまざまで、とても家庭的な雰囲気です。一匹の子犬が自分のボールを私のところへ持ってきたので、少し一緒に遊びました。

ヒホンのサン・ロレンソ海岸、シマビジャを背にボールを追って走るジャック・ラッセル・テリア
ビーチの朝
干潮時のヒホン、サン・ロレンソ海岸の濡れた砂に映るサン・ペドロ教会とシマビジャ
干潮時にビーチから見たサン・ペドロ教会

聖心聖堂 – ラ・イグレシオナ

市中心部、古いホベジャノス学院の向かいに、イエスの聖心聖堂 (Basílica del Sagrado Corazón de Jesús) が立っています。市民は「大きな教会」を意味するラ・イグレシオナ (La Iglesiona) と呼び、ファサードの大理石のキリスト像をエル・サントン (El Santón) と呼びます。外観は20世紀初頭のネオゴシックですが、内部は壁も天井も上から下まで黄土色と赤を基調とした壁画で覆われ、アーチにはラテン語の銘文が並びます。ミサはなく、静かで、壁画と丸いステンドグラスから差し込む光だけがあり、最初の数分間、私は身廊の真ん中で天井を見上げたまま立ち尽くしていました。

ヒホンの聖心聖堂の身廊、壁画の天井と丸いステンドグラス
聖堂の主身廊

聖堂は1920年代初めにイエズス会が建てたもので、設計はガウディと共に働いたカタルーニャの建築家ジョアン・ルビオ・イ・ベルベーです。壁画はバイエルン出身の兄弟、ヴィルヘルムとハインリヒ・イメンカンプがテンペラと油彩でほぼ2年かけて描きました。祭壇上部の後陣には「義人の勝利」の構図があり、光輝に包まれたキリストの周りに50人ほどの聖人と歴史上の人物が描かれています。四つのヴォールトはカテキズムのテーマ、すなわち信仰、徳、秘跡、祈りに沿って描かれ、それぞれに基調色があります。

ヴォールトと「義人の勝利」の後陣

壁の上部に並ぶ丸いステンドグラスは直径約5メートルで、キリストの生涯の場面が描かれています。オリジナルの多くは1930年の火災で失われ、同じマドリードの工房 Maumejean が作り直しました。木彫りも別にじっくり見てください。説教壇と、花や雄鶏、絡み合う茎を彫った柱があります。

ヒホンの聖心聖堂の入口上部のオルガンとステンドグラス
入口上部のオルガン

木彫り

実用情報

  • 住所: Calle Jovellanos, 6、Real Instituto Jovellanos の向かい
  • 入場: 無料、聖堂の開館時間内。ミサ中は身廊を歩き回ったり撮影したりしないこと
  • 所要時間: 20-30分

センダ・デル・セルビゴン – 町からそのまま続く海岸トレイル

ヒホンで一つだけ選ぶなら、私はこのトレイルを選びます。センダ・デル・セルビゴン (Senda del Cervigón) は正式にはサン・ペドロ教会から始まり、最初の1.5キロはサン・ロレンソ海岸の遊歩道を通り、ピレス川の河口を過ぎると断崖の上に出て、東のラ・ニョラ海岸 (Playa de La Ñora) まで続きます。片道およそ8.5キロですが、全部歩く必要はありません。断崖は川を渡ってすぐに始まります。

ピレス川の河口を越えてもしばらくはベンチと展望スポットのある遊歩道で、やがてアスファルトが石畳の小道に変わります。トレイルは単純明快で、迷いようがありません。海沿いに歩くだけです。アプリの Maps.me を入れておくことをおすすめします。小道やビーチへの分かれ道がすべて表示されます。

ヒホン、センダ・デル・セルビゴンの起点近く、白い家が建つ石灰岩の断崖の下の砂浜
トレイル序盤、断崖の下のビーチ

水際の岩とセリン海岸

最初の大きなポイントはサン・ロレンソ岬 (Cabo San Lorenzo) のラ・プロビデンシア公園 (Parque de La Providencia) です。90年代末に旧軍用地に造られた公園で、岬の突端には船の舳先の形をした展望台があります。ここからは東の海岸線がすべて見渡せます。断崖、その間の小さなビーチ、丘の上のパラグライダーです。

ヒホン、ラ・プロビデンシア公園の舳先型展望台とパラグライダーのあるサン・ロレンソ岬の断崖
サン・ロレンソ岬とラ・プロビデンシア展望台

もう少し先、実用情報に載せた地点で、茂みを抜けてトレイルを外れることができます。崖の縁へ出る短い抜け道があり、そこからセントジェラ海岸 (Playa Centollera) と海中の岩が見えます。トレイルからはこの場所は見えず、私のほかには誰もいませんでした。縁では足元に気をつけてください。

セントジェラ海岸の眺めと断崖の上のパラグライダー

公園のそばのコリナ・デル・クエルボ (Colina del Cuervo) の丘ではパラグライダーが飛んでいます。いくつかのスクールが営業していて、その日は空にずっと誰かが浮かんでいました。草の上に座って眺めるのもいいですし、インストラクターとのタンデム飛行を申し込むこともできます。

ヒホン近郊、草地と海の間を曲がりくねるセンダ・デル・セルビゴンの石の小道
セリン海岸の上のトレイル

その先でトレイルはセリン海岸 (Playa de Serín) へ下ります。断崖の下の細い砂浜で、長い階段が通じています。ビーチにカフェも監視員もなく、10月には人っ子ひとりいませんでした。そのあと道は海を望む草地を進み、私が歩いた区間の終わりにユーカリの林が始まります。高く明るい色の幹、足元には赤茶色のシダ、木々の間からはるか下のビーチが見えます。そこにも展望台があります。

ヒホン、センダ・デル・セルビゴンの展望台、砂浜と断崖の上のユーカリの木
ユーカリと眼下のビーチ
ヒホン近郊、センダ・デル・セルビゴンのオレンジ色のシダが茂るユーカリ林を抜ける石畳の小道
ユーカリの林

実用情報

  • トレイル: Senda del Cervigón、San Pedro 教会からサン・ロレンソ海岸の遊歩道を通り、断崖沿いに Playa de La Ñora まで
  • 距離: San Pedro 教会から片道約8.5キロ、ゆっくり歩いて約3時間。ピレス川河口からユーカリの林までは約5キロ
  • 難易度: 易しいが、上り坂と崖の縁を通る区間あり
  • Playa Centollera の隠れた展望地点: 43.555712, -5.614792 – Google Maps、茂みを抜けて崖の縁へ
  • パラグライダー: Colina del Cuervo、43.550429, -5.612844 – Google Maps
  • ユーカリの林と展望台: 43.549483, -5.605432 – Google Maps
  • ナビゲーション: Maps.me のほうが Google Maps より小道をよく表示します
  • 帰り: 私は同じ道を戻りました。ほかの選択肢はタクシーか市バス EMTUSA です。案内によれば、La Ñora へは12番線が通り、Quintueles への分岐点付近の国道 N-632 に停留所があります。路線と時刻表は EMTUSA のアプリで確認してください
  • 持ち物: 水と軽食。ラ・プロビデンシア公園より先にはカフェも店もありません

植物園とウニベルシダ・ラボラル

市バスで行ける町の東の外れに、大西洋植物園 (Jardín Botánico Atlántico) があります。植物園についてはエリアごとの回り方、料金、アドバイスをまとめた別の記事があるので、ここでは手短に。2000年代初めに開園し、大西洋の両岸の植物をテーマにしています。園内には中央に小さな灯台が立つゲッケイジュの迷路、樹齢数百年のオークの森、植物からどのように薬が作られたかを紹介する展示室があります。

ヒホンの大西洋植物園、ゲッケイジュの迷路の中央に立つ白い灯台のレプリカ
ゲッケイジュの迷路の中央の灯台

園内の小さな橋と実験器具のショーケース

セイヨウカリンとセイヨウヒイラギ

ヒホンの大西洋植物園、赤いブラシノキの花
ヒホン植物園、木々の間に立つ風化した石の女性像
園内の古い像

植物園の向かいにはウニベルシダ・ラボラル (Universidad Laboral) が立っています。前世紀半ばの複合施設で、スペイン最大の建物と呼ばれています。炭鉱労働者の子どもたちのための学園都市として建てられ、現在は文化センター、劇場、大学の校舎が入っています。高さ約130メートルの塔は町のほぼどこからでも見えます。中庭には自由に入れ、塔と楕円形ドームの教会はガイドツアーで見学できます。ツアーと植物園の共通券があり、この二か所で半日かかります。

ヒホンのウニベルシダ・ラボラルの中庭、門越しに見える塔と円形の教会
ウニベルシダ・ラボラルの中庭

教会ポルティコのモザイクと列柱

ウニベルシダ・ラボラルの塔

コーヒーとアイスクリーム

NUBO は中心部のパセオ・デ・ベゴーニャ (Paseo de Begoña) にあるカフェで、2026年夏にオープンしました。オルタナティブな抽出法とクラシックな淹れ方の両方のコーヒーに、自家製の焼き菓子があります。私はカプチーノとクリーム入りのパイ生地のケーキを頼みました。旅の中でいちばんおいしかったもののひとつです。

ヒホンのカフェ NUBO の店内、赤いタイルのカウンターとテラゾーの床
カフェ NUBO

NUBO のコーヒーと La Ibense のアイスクリーム

アイスクリームはビーチ近くの Helados La Ibense で。1934年から続く店で、アイスクリームは自家製、チョコレートが特においしかったです。

実用情報

  • NUBO: Paseo de Begoña, 16 – Google Maps。朝食は9:00から、コーヒーと焼き菓子
  • Helados La Ibense: サン・ロレンソ海岸そば、1934年創業 – Google Maps

メルカド・デル・スールとヒホンのお土産

町の主な屋内市場メルカド・デル・スール (Mercado del Sur) は、エウロパ広場 (Plaza de Europa) とセイス・デ・アゴスト広場 (Plaza del Seis de Agosto) の間、ビーチから歩いて10分のところにあります。19世紀末の建物で、鋳鉄の骨組み、街区をまるごと占める五角形の平面、大きな窓、四つの入口を持ちます。2001年に古い構造を残して修復されました。1階は魚、肉、チーズ、缶詰で、2階では開業当時から「aldeanas」、つまり近郊の村から旬の野菜や卵、自家製バターを運んでくる女性たちが商いをしています。何が売られているかは週ごとに変わります。私が着いたのは閉店間際で、ほとんどの売り場が片付けに入っていましたが、チーズ屋の前にはまだ地元の人が立って、家用に何か買っていました。

ヒホンのメルカド・デル・スールの食料品カウンター、魚介の缶詰、オリーブオイル、ベルモット
市場の缶詰とベルモット

市場での買い物

ヒホンのメルカド・デル・スール、チーズと生ハム・ソーセージのカウンター
チーズ売り場

私が買ったもの:

  • Trabanco のノンアルコールシドラ。 シドラ (sidra) はアストゥリアスを代表する飲み物で、りんごだけから砂糖を加えずに造り、泡立つように高い位置から注ぎます。日本酒の「もっきり」のように、注ぎ方そのものが見せ場です。Trabanco は地方の老舗シドラ醸造所のひとつで、ノンアルコール版もあります。天然シドラからアルコールを抜いたもので、りんご味の炭酸飲料ではありません。酸味があって辛口で、普通のシドラにとてもよく似ています。
  • カブラレスチーズ (Cabrales)。 アストゥリアスでは40種類以上のチーズが作られ、そのうち四つ、Cabrales、Gamonéu、Casín、Afuega’l Pitu が原産地呼称で保護されています。私は市場の Gorfolí の店で、中でもいちばん有名な Cabrales を買いました。山の洞窟で熟成させる青カビチーズです。辛みが強く力強い味で、りんごやりんごのペーストと一緒に食べるとおいしいです。
  • ドゥルセ・デ・マンサナ (dulce de manzana)。 薄く切ってチーズにのせる固めのりんごのペーストで、スペインのほかの地方でいうマルメロのゼリー membrillo にあたります。秋のアストゥリアスでは家庭で自分のりんごから煮て作ります。
  • 地元のりんごと桃。 アストゥリアスではりんごがすべての基本で、何十種類もの品種があります。桃は10月にもまだあり、大きくて甘いものでした。
本の山の隣の棚に置かれた La Gijonesa の手作りシドラゼリーの瓶
La Gijonesa のシドラゼリー

もうひとつ珍しいものが、La Gijonesa のシドラゼリーです。原材料はシドラ、砂糖、ペクチンだけで、シドラがちょうど半分を占めます。味はまさにシドラそのもの、ただし甘いのです。飲み物のシドラには砂糖を入れませんが、こちらには入っていて、好みは分かれるものの面白いです。プラサ・マヨール近くの地元産品の小さな店で売っています。

実用情報

  • Mercado del Sur: Plaza de Europa と Plaza del Seis de Agosto の間
  • 営業時間: 月-金 7:00-19:00、土 7:00-16:00、日曜休み(店舗ごとに異なる場合あり)
  • 買うなら: チーズ、魚介の缶詰、シドラ、dulce de manzana、季節の果物

ヒホンの菓子店

ヒホンには100年前に開業した菓子店が今も営業していて、町には独自の銘菓があります。プリンセシータス (princesitas) とタルタ・ヒホネサ (tarta gijonesa) です。

Confitería La Playa は1921年、中心部のメインショッピング街コリダ通り (Calle Corrida) に開店し、今も同じ場所にあります。名物はプリンセシータス、卵黄クリームを使ったアーモンド生地の小さなケーキです。アストゥリアス全域で作られていますが、ヒホンのものが元祖とされています。ほかにはプラリネ入りのくるみクッキー pasta de nuez とチョコレートボンボンが人気です。リボンのかかった金色の紙の箱は、持ち帰りの手土産にぴったりです。

ヒホンの Confitería La Playa のショーウィンドウの前で手に持ったギフトボックス
Confitería La Playa の箱

ヒホンの菓子店のショーケース

Confitería La Fe は1938年創業で、現在は市場のそばのエウロパ広場に面しています。地元のケーキに tarta gijonesa という名前を付けたのがこの店です。スポンジの土台に柔らかいトゥロン (turrón) のクリームを重ね、表面をあぶってあります。冷やして出され、町のほとんどの菓子店で売られています。私はここで食べました。クリームは濃厚でトゥロンの味が強く、とても甘いので、一切れを二人で分けて十分です。ほかにカサディエジェス (casadielles) も買いました。くるみの粉と砂糖、アニスを詰めた薄い生地のアストゥリアス風パイで、地方全域で主にカーニバルの時期に焼かれますが、菓子店には一年中あります。ショーケースにはほかにチョコレートのシュー、アーモンドのケーキ、キャラメルの四角いお菓子、フロランタンのクッキーも並んでいました。

ヒホンの Confitería La Fe のショーケース、エクレア、タルトレット、メレンゲのコーン
Confitería La Fe のショーケース

実用情報

  • Confitería La Playa: Calle Corrida, 61。princesitas、pasta de nuez、ボンボン
  • Confitería La Fe: Calle Periodista Adeflor, 3、Plaza de Europa そば。tarta gijonesa、casadielles
  • トゥロンとは: アーモンドと蜂蜜で作るスペインの菓子。ヒホナ (Jijona、アリカンテ県の町。ヒホンと混同しないように) の柔らかいトゥロンが tarta gijonesa のクリームの土台です

シドレリア El Veleru での夕食

夕食にはシマビジャのシドレリア El Veleru へ行きました。プラサ・マヨールのすぐそば、16世紀の建物に入った古い居酒屋で、木と梁、低い天井の店内です。料理は海のもので、魚介のスープ、オマール海老のライス、塩釜焼きやグリルの魚があります。人気店なので、席は予約したほうがいいです。

El Veleru のホタテとタコ

私は殻付きホタテのグリルとタコを注文しました。タコはこの店の看板料理で、メニューでは pulpo con helado de pimentón、「パプリカのアイスクリーム添えタコ」という名前です。茹でたじゃがいもの上にグリルした足をのせ、横に冷たくて濃いパプリカのペーストを添えたもので、このペーストを店ではアイスクリームと呼んでいます。ピリッと辛く、タコと合わせるととてもおいしいです。ただ、油が多くこってりしているので、二人なら一皿と何か軽いもので十分です。

実用情報

  • Sidrería Restaurante El Veleru: Calle Rosario, 2, Cimavilla。電話 +34 984 706 515
  • おすすめ: パプリカの「アイスクリーム」添えタコ、ホタテのグリル、魚介のスープ
  • 予約: 電話で。週末の夜は席が埋まります

ヒホンへの行き方

  • オビエドから: Renfe の近郊列車 Cercanías か ALSA のバスで30-40分、片道約3-4ユーロ(約500-660円)。列車もバスも30分から1時間おきに出ています。
  • アストゥリアス空港から: ALSA のバスでヒホンのバスターミナルまで約50分、約9ユーロ(約1,500円)、およそ1時間に1本。
  • 市内の移動: 中心部、シマビジャ、ビーチは徒歩で回れます。植物園とウニベルシダ・ラボラルへは市バス EMTUSA が走っています。

アドバイス

  • ヒホンには2-3日あれば十分です。1日は町とビーチ、1日はトレイル、半日は植物園とウニベルシダ・ラボラルに。
  • 旧市街とビーチは早朝に。人がおらず、干潮時のビーチは広大です。
  • トレイルには水と食べ物を持って行ってください。ラ・プロビデンシア公園より先には何もありません。
  • 10月は暖かく、海はまだ泳げて、観光客も少なめでした。

おわりに

トレイルとユーカリの林のために、私はまたここへ戻ってきたいと思います。それからタコのためにも。

旅の前にスペイン語をおさらいしたい方は、lingvero.com に英語で学べる無料のスペイン語文法練習問題があります。市場やシドレリアできっと役に立ちます。

よくある質問

ヒホンを1日で回るなら何を見るべきですか?

午前中はプラサ・マヨールのある旧市街シマビジャとサンタ・カタリナの丘、その後に聖心聖堂とサン・ロレンソ海岸。午後はセンダ・デル・セルビゴンの序盤をラ・プロビデンシア公園まで歩き、夕方はマリーナの防波堤とシドレリアでの夕食です。

時間がない場合、センダ・デル・セルビゴンはどのくらい歩けばいいですか?

ピレス川の河口からラ・プロビデンシア公園まで往復2-3時間です。断崖、船の舳先の形の展望台、パラグライダーが見られます。ラ・ニョラまでの全行程は片道約3時間です。

オビエドからヒホンへはどう行きますか?

Renfe の近郊列車 Cercanías か ALSA のバスで、所要約30分です。本数が多く、運賃は数ユーロで、事前購入は不要です。

ヒホンのお土産には何がいいですか?

カブラレスチーズ、dulce de manzana、シドラ、魚介の缶詰、La Playa のプリンセシータス、La Gijonesa のシドラゼリー。お菓子以外はすべてメルカド・デル・スールで手に入ります。

ヒホンに行くのに良い時期はいつですか?

夏は町が混み合い、ビーチも満員です。9-10月はまだ暖かく泳げて、人はかなり少なくなります。サーファーは一年中います。

波が高いとき、防波堤は安全ですか?

欄干から身を乗り出したり、いちばん端に立ったりしなければ大丈夫で、子ども連れも散歩しています。ただしずぶ濡れになることはありますし、強い嵐のときは防波堤に出ないほうがいいです。

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